開業届を出したら次は何をする?起業後すぐに始めるべきお金の管理3ステップ

開業届を出したら次は何をする?起業後すぐに始めるべきお金の管理3ステップ

開業届を出したら次は何をする?起業後すぐに始めるべきお金の管理3ステップ

「開業届を出した!これで起業家だ!」と喜んだのも束の間、「次は何をすればいいの?」と不安になっていませんか?開業届の提出は起業の第一歩に過ぎません。本当に重要なのは、その後のお金の管理体制をしっかり整えることです。

多くの起業家が、開業直後の会計管理を後回しにしてしまい、確定申告の時期に慌てて領収書を探したり、税金の支払いに困ったりしています。実は、開業後すぐに正しいお金の管理を始めるかどうかが、その後の事業成功を左右すると言っても過言ではありません。

本記事では、開業届を提出した個人事業主が、起業後すぐに始めるべきお金の管理を「3つ」に分けて解説します。事業用口座の開設、会計ソフトの導入、記帳習慣の確立——この3つを実践すれば、お金の不安から解放され、本業に集中できる基盤が整います。

*税制や制度は変更される可能性があるため、実際の手続きの際は専門家や公式サイトをご確認ください。

1. 開業届提出後にまずやるべきこと

開業届以外の重要な税務手続き

開業届を提出しただけで安心してはいけません。開業届と同時、またはその直後に提出すべき重要な書類があります。

青色申告承認申請書:開業届と同時またはその後なるべく早く提出することをおすすめします。原則として承認を受けたい年の3月15日まで、開業日が1月16日以後の場合は開業から2か月以内が提出期限です。青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除が受けられ、大きな節税効果があります。

その他の状況に応じた届出:家族を従業員として雇う場合は青色事業専従者給与に関する届出書、従業員を雇う場合は源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書などがあります。これらの書類は、提出期限を過ぎると適用が翌年になってしまうため、早めの対応が重要です。

お金の管理の基本は「3つ」

お金の管理と聞くと難しく感じるかもしれませんが、基本は以下の3つです

 

・事業用口座を開設する(プライベートと事業のお金を分ける)

・会計ソフトを導入する(記帳を自動化・効率化する)

・記帳習慣を確立する(お金の流れをリアルタイムで把握する)

 

この3つを開業後すぐに実践すれば、お金の管理で困ることはほとんどありません。

2.事業用口座を開設する

なぜ事業用口座が必要なのか

個人事業主には、法律上プライベート用と事業用の口座を分ける義務はありません。しかし、事業用口座を開設することには大きなメリットがあります。

事業用口座を開設するメリット:

 

・事業とプライベートの資金を明確に区分できる

・確定申告や帳簿作成が格段に簡単になる

・税務調査で指摘を受けにくくなる

・金融機関から融資を受けやすくなる

 

プライベートと事業のお金が混在していると、「この支払いは経費?それともプライベート?」と毎回判断する必要があり、記帳が非常に煩雑になります。事業用口座があれば、その口座の入出金はすべて事業に関するものと判断できるため、帳簿付けがスムーズです。

屋号付き口座がおすすめ

事業用口座を開設する際は、屋号があれば「屋号付き口座」にすることをおすすめします。

※架空の例

例:フリーランスデザイナーのAさん

 

・個人名義:「山田太郎」

・屋号付き口座:「デザインスタジオYAMADA 山田太郎」

 

屋号付き口座なら、請求書や名刺に記載した際に、よりプロフェッショナルな印象を与えられます。取引先に対して信頼感を与え、個人名義よりビジネスの実態があると認識されます。

事業用口座開設の手順

事業用口座の開設は、通常の銀行口座開設とほぼ同じ流れです。

必要な書類:

・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

・開業届の控え(屋号付き口座を開設する場合)

・印鑑(銀行届出印)

 

開設までの流れ

 

1.銀行窓口またはオンラインで申込み

2.必要書類の提出

3.審査(通常1〜2週間程度)

4.口座開設完了、キャッシュカード受取

 

ネット銀行なら、より短期間で開設できることもあります。

事業用口座活用のポイント

事業用口座を開設したら、以下のルールを徹底しましょう

 

・すべての事業収入をこの口座に入金する

・すべての事業経費をこの口座から支払う

・プライベートな支出は絶対にこの口座から行わない

・どうしても個人資金が必要な場合は「事業主貸」として記録する

 

このルールを守れば、事業用口座の入出金記録がそのまま事業の収支になり、帳簿付けが驚くほど簡単になります。

3. 会計ソフトを導入する

会計ソフトは個人事業主の必須ツール

「開業したばかりで売上も少ないし、Excelで十分では?」と考える方も多いですが、最初から会計ソフトを導入することを強くおすすめします。

会計ソフトを使うメリット

 

・銀行口座やクレジットカードと連携し、自動で取引を取り込める

・仕訳の知識がなくても、質問に答えるだけで記帳できる

・確定申告書を自動で作成してくれる

・売上や経費をリアルタイムで把握できる

 

手書きやExcelでの管理は、取引が増えると追いつかなくなり、確定申告時に大混乱に陥る可能性があります。

個人事業主におすすめの会計ソフト

2026年現在、個人事業主に人気の会計ソフトは以下の3つです:

freee会計:簿記知識がなくても使いやすい設計で、質問に答えるだけで確定申告書が完成します。月額1,480円〜(年額プランあり)、スマホアプリも充実しています。

マネーフォワード クラウド確定申告:中小企業の成長にも対応できる拡張性があり、月額800円〜。銀行連携・自動仕訳が優秀です。

やよいの青色申告 オンライン:初年度無料キャンペーンがあり、サポート体制が充実しています。2年目以降は年額11,330円です。

どのソフトも無料お試し期間があるため、実際に使ってみて自分に合うものを選びましょう。

会計ソフトの初期設定のポイント

会計ソフトを導入したら、最初に以下の設定を行いましょう:

事業情報の登録:氏名、屋号、住所、事業内容を登録し、青色申告か白色申告かを選択します。開業日も入力しましょう。

口座・カードの連携:事業用銀行口座、事業用クレジットカード、電子マネー(PayPayなど)も可能なら連携します。

勘定科目の設定:よく使う経費項目(交通費、通信費、消耗品費など)を確認し、自分の事業に合わせてカスタマイズします。

初期設定を丁寧に行えば、その後の記帳が格段に楽になります。

会計ソフト導入時の注意点

会計ソフトを導入する際の注意点

 

・無料プランは機能制限があることが多い(確定申告書作成ができないなど)

・有料プランでも月額1,000円前後なので、経費として十分ペイする

・開業初年度から使い始めれば、データが蓄積され翌年以降さらに便利になる

 

会計ソフトは「経費」ではなく「投資」と考えましょう。月1,000円前後の投資で、確定申告の手間が数十時間削減でき、税理士費用も節約できます。

4. 記帳習慣を確立する

記帳習慣が事業成功のカギ

会計ソフトを導入しても、記帳をしなければ意味がありません。記帳習慣を確立することが、お金の管理で最も重要です。

記帳習慣を持つメリット

 

・事業の収支がリアルタイムで把握できる

・確定申告時に慌てなくて済む

・資金繰りの問題を早期に発見できる

・経営判断に必要なデータが常に手元にある

 

「後でまとめてやろう」と思っていると、領収書が溜まり、記憶も曖昧になり、結局確定申告直前に大混乱に陥ります。

記帳のタイミングとルール

記帳は、以下のタイミングで行うのがおすすめです:

理想:毎日(5〜10分)

 

・その日の取引をその日のうちに記録

・領収書の整理も同時に行う

 

現実的:週1回(30分〜1時間)

 

・週末に1週間分の取引をまとめて記帳

・レシートや領収書を見ながら入力

 

最低限:月1回(2〜3時間)

 

・月初に前月分の取引を記帳

・銀行の入出金明細と照合

 

会計ソフトと銀行口座を連携していれば、自動で取り込まれた取引を確認するだけなので、週1回30分程度で十分です。

領収書・レシート管理のコツ

記帳と同時に、領収書やレシートの整理も重要です。

領収書管理のルール

 

・もらった領収書は必ず保管する(青色申告の場合、確定申告期限の翌日から7年間の保管義務あり)

・月ごとにファイルやクリアポケットに分ける

・レシートに簡単なメモを書く(「〇〇社との打ち合わせ」など)

・可能ならスマホで写真を撮り、クラウドに保存

 

※架空の例

例:フリーランスライターBさんの領収書管理

 

・クリアファイルを月ごとに12枚用意

・レシートをもらったらその月のファイルに入れる
週末に会計ソフトで記帳しながら、レシートに「✓」チェック

・年末には12か月分のファイルを1つの箱に保管

 

このシンプルなルールで、確定申告時に領収書が見つからないトラブルを防げます。

記帳で確認すべきポイント

記帳をする際は、以下のポイントを確認しましょう

 

収入の記録:すべての売上が記録されているか、入金日と金額が正確か、源泉徴収されている場合その金額も記録されているかを確認します。

経費の記録:事業に関係する支出がすべて記録されているか、勘定科目は適切か、プライベートな支出が混ざっていないかをチェックします。

残高の確認:会計ソフト上の預金残高と、実際の銀行残高が一致しているかを月1回確認する習慣をつけましょう。

5.お金の管理を習慣化するための実践的なヒント

最初の3か月が勝負

お金の管理習慣は、開業後の最初の3か月で定着させることが重要です。

最初の3か月で意識すべきこと

 

・毎週決まった曜日・時間に記帳タイムを設ける

・領収書は財布に溜めず、その日のうちにファイルに入れる

・月末には必ず売上・経費・利益を確認する

 

この3か月を乗り越えれば、記帳が習慣となり、「やらないと気持ち悪い」と感じるようになります。

専門家のサポートも活用する

すべてを自分でやろうとせず、専門家のサポートを活用することも有効です。

税理士に相談するメリット:確定申告書の作成を任せられる、節税対策のアドバイスがもらえる、税務調査の対応もサポートしてくれます。

税理士費用の目安:個人事業主(年商500万円未満)で年間7〜10万円程度、年商500万円〜1,000万円で年間10〜20万円程度です。記帳代行も依頼する場合は年間20〜30万円程度です。

売上が少ないうちは自分で記帳し、売上が増えてきたら税理士に依頼するというのも一つの選択肢です。

お金の管理を楽しむ工夫

お金の管理を「面倒な作業」ではなく、「事業の健康診断」と捉えると、前向きに取り組めます。

お金の管理を楽しむコツ

 

・毎月の売上を記録し、前月比・前年比を確認する

・経費を分析し、無駄な支出を見つけてゲーム感覚で削減する

・利益が増えたら、自分へのご褒美を設定する

 

お金の流れを「見える化」することで、事業の成長を実感でき、モチベーションも高まります。

まとめ

開業届を提出した後、すぐに始めるべきお金の管理の3つをおさらいしましょう。

 

1.事業用口座を開設する(プライベートと事業のお金を分ける)

2.会計ソフトを導入する(記帳を自動化・効率化する)

3.記帳習慣を確立する(お金の流れをリアルタイムで把握する)

 

この3つを開業後すぐに実践すれば、確定申告で慌てることなく、資金繰りの不安からも解放されます。お金の管理がしっかりできていれば、本業に集中でき、事業の成長スピードも上がります。

開業直後は「まだ売上も少ないから」と後回しにしがちですが、だからこそ最初が肝心です。売上が増えてから慌てて整えるより、最初から正しい仕組みを作っておく方が、後々圧倒的に楽になります。

まずは今日、事業用口座の開設を検討してみましょう。次に会計ソフトの無料お試しに登録し、実際に触ってみましょう。そして週1回、30分の記帳タイムをスケジュールに組み込みましょう。

この小さな一歩が、あなたの事業を成功に導く大きな土台となります。お金の管理をしっかり整えて、安心して事業成長を目指しましょう!

 

また、本記事中の具体例(Aさん、Bさんの事例)や会計ソフトの料金は架空または参考情報です。実際の利用の際は、各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。